ある若い女性が、ローンで5万円借りたいと思いました。キャッシングという便利な借入を利用しよう、と思いました。キャッシングというのは、金融機関の現金自動支払機で、個人が利用する小口の融資のことです。どこで借りようかなと思い、インターネットや雑誌で色んな広告を見てみました。

見ていると、利息のつかないローンというのがありました。そんなうまい話があるのでしょうか。得する話なら、飛びつきたくなります。ある会社は、200万円まで貸し付けて、そのうち5万円までは、180日間は無利息です、と言っています。つまり、5万円だけ借りれば、6ヶ月間は利息なしで済みそうです。

しかし、利用者の立場から見ると、疑問がわいてきます。会社は、果たしてもうけが出るのでしょうか。それで帳尻が合うのでしょうか。利息を取って初めて、消費者金融の経営が成り立つような気がします。業界の過当競争に勝つための販売戦略でしょうか。特別な仕掛けがあるのでしょうか。

会社は、利用者に魅力的な商品を差し出します。それは、短期的には、会社にとって不利な商品です。しかし、それで利用者の注目を集めます。順調に進めば、利用者が増えて、ローンの借入を繰り返すことになります。長期的には、最初不利に見えた戦略は、会社の経営に有利に働いてきます。

しかし、美しいバラにはとげがある、と言います。他人の話は、最後まで聞かないと真実が分からないことがよくあります。うまそうに見える食べ物も、口の中に入れてみないと本当の味は分かりません。利用者に有利に見えるローンですが、問題はないのでしょうか。よく見ると、この無利息の扱いには、条件があります。初めての借入の人に限ります。2度目、3度目の人には使えない待遇です。

利息の付き方にも、ある仕組みがあります。5万円を超えた部分は、通常の5%から18%の利息になるそうです。10万円借りると、半分の5万円は無利息で、もう半分の5万円は通常の利息が付きます。返済日にも注意が必要です。自分の好きな時に、返すわけではありません。無利息の期間中に、返済日が決められています。つまり、遅れて返済すると、やはり利息がかかります。それどころか、遅延損害金も払うことになります。

要するに、計画通りに借入、返済をしないと、利息ゼロという幸運には恵まれません。無利息と言う魅力的な扱いが受けられると言っても、話は単純ではありません。もっとも、完全に無利息でなくても、一部が無利息ならばそれでいい、という発想の転換は確かにあります。

キャッシングの利点は、審査時間の早さ、借入の早さにあります。手元にすぐに現金が入る便利さにあります。次の給料日までに、急ぎで欲しいという人には好都合です。借入の早さには、返済の早さで対応した方がいいかもしれません。計画通りに返済できれば、問題はないでしょう。